あっ――と驚きつつ振り返る。
そこには、お忍び平民姿のシリウスがいた。
公の場に出る時とは違い、セットされていない艶やかな銀髪が、サラリと風に揺れる。
街によくいる平民の青年を装っているけれど、全身から漂う気品と美貌を隠せていない。
洗濯かごという『クソダサアイテム』すら、シリウスが持つと高級品に見えてくるから不思議……。
「大嫌いより、大好きの方が幸せになれる、か。俺も昔、似たようなことを言われた経験がある」
「殿下っ! その……いつから見ていたんですか?」
「あの少年が少女をいじめてしまった所から、だな」
「最初から……。さっきの偉そうな言葉は忘れてください!」
「何故? 俺は良い言葉だと思った。いつか誰かに言うため、書き留めたいくらいだ」
「お世辞を言っても、クッキーくらいしかあげられませんよ」
「最高の褒美だ。甘い物は好きなんだ」
冷酷だと思っていた彼は、打ち解けると意外にもフレンドリーで穏やか。無口だけど頑固ではなく、むしろ素直で、プレイベート時はどこかおっとりした雰囲気をまとっている。
そこには、お忍び平民姿のシリウスがいた。
公の場に出る時とは違い、セットされていない艶やかな銀髪が、サラリと風に揺れる。
街によくいる平民の青年を装っているけれど、全身から漂う気品と美貌を隠せていない。
洗濯かごという『クソダサアイテム』すら、シリウスが持つと高級品に見えてくるから不思議……。
「大嫌いより、大好きの方が幸せになれる、か。俺も昔、似たようなことを言われた経験がある」
「殿下っ! その……いつから見ていたんですか?」
「あの少年が少女をいじめてしまった所から、だな」
「最初から……。さっきの偉そうな言葉は忘れてください!」
「何故? 俺は良い言葉だと思った。いつか誰かに言うため、書き留めたいくらいだ」
「お世辞を言っても、クッキーくらいしかあげられませんよ」
「最高の褒美だ。甘い物は好きなんだ」
冷酷だと思っていた彼は、打ち解けると意外にもフレンドリーで穏やか。無口だけど頑固ではなく、むしろ素直で、プレイベート時はどこかおっとりした雰囲気をまとっている。



