自問自答を繰り返しているうちに、シレーネ家の屋敷に到着した。
 
 私は堂々巡りの思案を中断して、馬車を降りる。

 
 シリウスに気を取られている場合じゃない。シナリオどおり婚約発表が行われるか、今夜の舞踏会で確かめる必要があるのだから。

 私は気持ちを切り替えて、夜会の準備を始めた。