「ぅ……」

 自分のうめき声で、『私』は目を覚ました。

 ゆっくり瞼をあげると、視界に映るのは見慣れたアパートの天井……じゃなくて。

「エスター! 私達の声が聞こえる?」

「目を覚ましたぞ! 先生を呼んでこい!!」

 こちらを心配そうにのぞき込むシレーネ夫妻の姿だった。