【コミカライズ配信中・書籍化決定】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~

 読後の余韻に浸りつつ、他の読者の感想を検索すべく、スマホを取り出す。
 
 SNSアプリをタップして開くと、キーワード欄に『黒薔薇姫』と打ち込んだ。すぐさま大量の呟きがババッと表示される。


『ミーティアちゃん可愛い! メイナード殿下優しくて最高! シリウス殿下は悪役だけどクールイケメンでカッコイイ! エスターはざまぁされてスカッとした』

『シリウスって悪役だし出番も少ないけど、脇役好きには堪らないキャラなんだよね。スピンオフ出ないかな』
 
『【黒薔薇姫】読了。シリウス推しだから、メイナードエンドに若干モヤる。ミーティアとメイナードって両方恋愛脳だから、この二人で本当に大丈夫? 良い国作れるの? って不安』


 画面をスクロールしながら、他の読者の感想に『分かる~』と頷いていると、到着を知らせる車内アナウンスが流れた。私はスマホをポケットに入れて立ち上がった。
 
 
 改札を抜けて、ひとけの無い夜道を風に逆らって歩く。一瞬ピカッと明るくなり、やや遅れてゴロゴロと雷鳴がとどろいた。
 
 
「風つよ。あぁ~、今日は踏んだり蹴ったりだぁ」