二人でベンチに座り、景色を眺める。
遠くの空を見ながら、私は今までの経緯を訥々と語った。
ミーティアに異能力をうばわれ、濡れ衣を着せられて追放されたこと。その後、療養所から救出され、シレーネ家の支援を受けてアデルに成り代わったこと。
そして「信じられないと思うけれど……」と前置きしたうえで、私が持つ前世の記憶について説明した。
「――というわけなの。信じられないわよね?」
「いいや、信じる」
「即答!?」
「嘘をつく理由はないだろう? それに、俺は君を信じてる」
「うん。……ありがと」
お礼を言うと「どういたしまして」と肩を引き寄せられる。
ずっと誰にも言えなかった秘密を明かせたことで心が一気に軽くなった。
身を預けてほっとしていると、上から物騒な言葉が降ってきた。
「落とし前をつけさせなければ」
「えっ」
「君を陥れた者たちに、罪を償わせる」
シリウスは険しい顔をしていた。指先で私の髪をくるくる弄びながら、暗い目で遠くを見つめている。
指で何かを弄りながら考え事をするのは、子供の頃からの癖だ。しかも大抵こういう時は本気で怒っていたり、腹黒い悪巧みをしていることが多い。
私は慌てて「待って、シリィ!」と叫んだ。
遠くの空を見ながら、私は今までの経緯を訥々と語った。
ミーティアに異能力をうばわれ、濡れ衣を着せられて追放されたこと。その後、療養所から救出され、シレーネ家の支援を受けてアデルに成り代わったこと。
そして「信じられないと思うけれど……」と前置きしたうえで、私が持つ前世の記憶について説明した。
「――というわけなの。信じられないわよね?」
「いいや、信じる」
「即答!?」
「嘘をつく理由はないだろう? それに、俺は君を信じてる」
「うん。……ありがと」
お礼を言うと「どういたしまして」と肩を引き寄せられる。
ずっと誰にも言えなかった秘密を明かせたことで心が一気に軽くなった。
身を預けてほっとしていると、上から物騒な言葉が降ってきた。
「落とし前をつけさせなければ」
「えっ」
「君を陥れた者たちに、罪を償わせる」
シリウスは険しい顔をしていた。指先で私の髪をくるくる弄びながら、暗い目で遠くを見つめている。
指で何かを弄りながら考え事をするのは、子供の頃からの癖だ。しかも大抵こういう時は本気で怒っていたり、腹黒い悪巧みをしていることが多い。
私は慌てて「待って、シリィ!」と叫んだ。



