覆い被さるように私を抱きしめていた彼が、顔を上げる。こちらを見つめる目には熱がこもっており、見たことないくらい余裕のない表情をしていた。

 
「俺は君が、どうしようもなく、好きなんだ」

 
 言葉で、仕草で、表情で。ひたむきな愛を注がれる。

 心が震えた。こんなに一途に求められて、幸せすぎて涙がとまらない。
 
(このまま夢が、終わらなきゃいいのに)

 そう思いながら、私は彼にほほ笑み返し――。

 
「私もあなたのことが、好きです」


 ずっと伝えられなかった想いを口にした。

 
 シリウスが嬉しそうに笑う。それから私の額にキスをした。

 夢なんだから、口にして欲しかったのに。不満げな私の顔で察したのか、彼は低く笑って言った。
 
「続きは近々、起きているときに。それまで、誰にも許すなよ」

 シリウスが意地悪に笑い、親指で私の唇をなぞる。あまりに色っぽい仕草と表情に、私はコクリと頷くのが精一杯だった――。