ウォルス伯爵は絶望に満ちた顔で、吐き捨てるように言い切った。
「私が捧げてきた忠誠心や仕事の成果は、聖女さまの一言には敵わない。これほど虚しいことがありましょうか!」
「貴様ッ! 僕の命を狙ったばかりか、ミーティアまで侮辱するのか!」
メイナードが立ち上がり激怒する。だが負けじと、ウォルス伯爵は声を張り上げた。
「ではお聞き致しますが、殿下はなぜ、功績のある私ではなく、汚職まみれのカルミア侯爵を選んだのですか! せめて正当な理由をお聞かせ下さい!」
「そ、れは――」
メイナードは言葉を詰まらせる。視線を彷徨わせ、上手い言い訳を探しているが、思いつかないのだ。
なにしろ、カルミア侯爵が国のためにしてきた仕事や功績など、ほとんどない。仮にあったとしても、政に興味のないメイナードは知らないだろう。
さらに追い打ちをかけるように、シリウスが数枚の紙を書記官に渡した。
「これは、私がウォルス伯爵から相談を受け、秘密裏にカルミア侯爵を調査していた結果報告書です。――読み上げよ」
「私が捧げてきた忠誠心や仕事の成果は、聖女さまの一言には敵わない。これほど虚しいことがありましょうか!」
「貴様ッ! 僕の命を狙ったばかりか、ミーティアまで侮辱するのか!」
メイナードが立ち上がり激怒する。だが負けじと、ウォルス伯爵は声を張り上げた。
「ではお聞き致しますが、殿下はなぜ、功績のある私ではなく、汚職まみれのカルミア侯爵を選んだのですか! せめて正当な理由をお聞かせ下さい!」
「そ、れは――」
メイナードは言葉を詰まらせる。視線を彷徨わせ、上手い言い訳を探しているが、思いつかないのだ。
なにしろ、カルミア侯爵が国のためにしてきた仕事や功績など、ほとんどない。仮にあったとしても、政に興味のないメイナードは知らないだろう。
さらに追い打ちをかけるように、シリウスが数枚の紙を書記官に渡した。
「これは、私がウォルス伯爵から相談を受け、秘密裏にカルミア侯爵を調査していた結果報告書です。――読み上げよ」



