最初はたどたどしかったウォルス伯爵だが、次第に感情がたかぶってきたのか、熱のこもった弁舌を振るいはじめる。
「わたしは、この国をもっと良くしたい、陛下と王族の皆様をお支えしたい。その一心で、全てを捧げてきた。なのに、なのにっ。突然、円卓から追放されたッ――!」
悔しげに拳を握りしめ、顔を歪めて血を吐くように訴え続ける。
「かわりに入ったカルミア侯爵は、ろくに仕事もしない。しかも調査すればするほど、後ろ暗いことばかり出てくる。なぜ、そんな不誠実なカルミア侯爵を円卓に加えたのか、理由をお尋ねしたく、何度も嘆願書を出しました」
シリウスが目配せすると、騎士が数人がかりで書類を運んで来た。
机上にうずたかく積み上げられた嘆願書の山。
「何百、何千枚と嘆願書をしたためました。しかしメイナード殿下は一度たりとも読んで下さらなかったッ!その時、私は悟りました」
どうせ頑張っても、無駄なのだと。
真面目さや勤勉さが、この国では……メイナードの治世では評価されないのだと。
悔しげに、そして恨めしげに、ウォルス伯爵は呟いた。
「カルミア侯爵は、メイナード殿下の婚約者である『聖女様』の推薦で、円卓入りした。とんでもない話ですよ」
「わたしは、この国をもっと良くしたい、陛下と王族の皆様をお支えしたい。その一心で、全てを捧げてきた。なのに、なのにっ。突然、円卓から追放されたッ――!」
悔しげに拳を握りしめ、顔を歪めて血を吐くように訴え続ける。
「かわりに入ったカルミア侯爵は、ろくに仕事もしない。しかも調査すればするほど、後ろ暗いことばかり出てくる。なぜ、そんな不誠実なカルミア侯爵を円卓に加えたのか、理由をお尋ねしたく、何度も嘆願書を出しました」
シリウスが目配せすると、騎士が数人がかりで書類を運んで来た。
机上にうずたかく積み上げられた嘆願書の山。
「何百、何千枚と嘆願書をしたためました。しかしメイナード殿下は一度たりとも読んで下さらなかったッ!その時、私は悟りました」
どうせ頑張っても、無駄なのだと。
真面目さや勤勉さが、この国では……メイナードの治世では評価されないのだと。
悔しげに、そして恨めしげに、ウォルス伯爵は呟いた。
「カルミア侯爵は、メイナード殿下の婚約者である『聖女様』の推薦で、円卓入りした。とんでもない話ですよ」



