「シリィ? どうかしたの?」
「べつに、なにも」
シリィはいつも通りぶっきらぼうに言うと、ぷいっと背を向けてしまった。
なんで? どうして?と聞いても、『別になんでもない』とはぐらかされてしまう。
見れば、彼の頬から首筋、耳がじんわり真っ赤に染まっていた。
「はっはぁ~ん、分かったわ。シリィ、あなた、ごめんって言い慣れていなくて照れているんでしょう!そうなんでしょう!」
「いや、違う」
「だったら何なの? どうして背中を向けるの?」
「だから、別になんでもないって! つーか、どうせお子様にはわかんねーよ」
「お子様じゃないもん!」
この日を境に、私とシリィは一番仲良しな友達になった。
彼になら、私は何でも打ち明けられた。
家族のこと、不仲な妹のこと、そして常に抱えている不安についても。
「要らない子になったら、きっと捨てられちゃう。だからいつも聖堂で祈っているの。――いい子にしますから、私が両親にとって、価値のある子どもでいられますようにって」
シリィはいつも、黙って聞いていた。
否定せず、大丈夫だよなんて安易な気休めも言わず、ただただ聞いてくれていた。
それが私にとって何より嬉しくて、安心した。
「べつに、なにも」
シリィはいつも通りぶっきらぼうに言うと、ぷいっと背を向けてしまった。
なんで? どうして?と聞いても、『別になんでもない』とはぐらかされてしまう。
見れば、彼の頬から首筋、耳がじんわり真っ赤に染まっていた。
「はっはぁ~ん、分かったわ。シリィ、あなた、ごめんって言い慣れていなくて照れているんでしょう!そうなんでしょう!」
「いや、違う」
「だったら何なの? どうして背中を向けるの?」
「だから、別になんでもないって! つーか、どうせお子様にはわかんねーよ」
「お子様じゃないもん!」
この日を境に、私とシリィは一番仲良しな友達になった。
彼になら、私は何でも打ち明けられた。
家族のこと、不仲な妹のこと、そして常に抱えている不安についても。
「要らない子になったら、きっと捨てられちゃう。だからいつも聖堂で祈っているの。――いい子にしますから、私が両親にとって、価値のある子どもでいられますようにって」
シリィはいつも、黙って聞いていた。
否定せず、大丈夫だよなんて安易な気休めも言わず、ただただ聞いてくれていた。
それが私にとって何より嬉しくて、安心した。



