しんと静まり返った中庭に、私とシリィ、二人だけが取り残される。
さぁぁっと柔らかな春風が吹き、花壇にある色とりどりの花弁が揺れた。
黄色や白い蝶々が、ひらひらと私たちの間を通り抜けてゆく。
私は芝生の上に座り込んでうつむいたまま、何も喋らなかった。
何を言えばいいのか分からなかったし、柄にもなく大泣きしてしまったのが恥ずかしかったから。
一分にも満たない静寂が、とても長く感じられた。
やがて頭上から「……あのさ」という呟きが聞こえてきた。
視線を少し上に向けると、膝をついたシリィとちょうど目が合った。
「ごめん。酷いこと言って泣かせて。本当に、ごめんなさい」
真剣な表情とまっすぐな言葉に、心からの謝罪と後悔が伝わってくる。
何か言わなきゃ――と思うのに、良い言葉が思いつかない。
(こういうときって、何て言えばいいんだろう)
思えば、誰かと本気で喧嘩して、謝罪される経験はこれが初めてだった。
「やっぱり、許してもらえない……よな。あんなに酷いこと言って、何度謝ったって足りないのは分かってる。でも、ごめん」
シリィは頭を深々と下げた。
「違うの、もう怒ってないわ! 大嫌いは悲しかったけど、もう怒ってないから」
「ほんとうに?」
顔を上げてすがるような目でこちらを見るシリィ。
そのとき、私の視界にあるものがちらついた。頭のなかにパッと名案が浮かぶ。
さぁぁっと柔らかな春風が吹き、花壇にある色とりどりの花弁が揺れた。
黄色や白い蝶々が、ひらひらと私たちの間を通り抜けてゆく。
私は芝生の上に座り込んでうつむいたまま、何も喋らなかった。
何を言えばいいのか分からなかったし、柄にもなく大泣きしてしまったのが恥ずかしかったから。
一分にも満たない静寂が、とても長く感じられた。
やがて頭上から「……あのさ」という呟きが聞こえてきた。
視線を少し上に向けると、膝をついたシリィとちょうど目が合った。
「ごめん。酷いこと言って泣かせて。本当に、ごめんなさい」
真剣な表情とまっすぐな言葉に、心からの謝罪と後悔が伝わってくる。
何か言わなきゃ――と思うのに、良い言葉が思いつかない。
(こういうときって、何て言えばいいんだろう)
思えば、誰かと本気で喧嘩して、謝罪される経験はこれが初めてだった。
「やっぱり、許してもらえない……よな。あんなに酷いこと言って、何度謝ったって足りないのは分かってる。でも、ごめん」
シリィは頭を深々と下げた。
「違うの、もう怒ってないわ! 大嫌いは悲しかったけど、もう怒ってないから」
「ほんとうに?」
顔を上げてすがるような目でこちらを見るシリィ。
そのとき、私の視界にあるものがちらついた。頭のなかにパッと名案が浮かぶ。



