アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

「ナーゴ」

 その瞬間、シャーロットの甘えた鳴き声が足許からきこえてきた。

「す、すまない」

 同時に、抱きしめられている力が弱まった。

「きみの気持ちも考えず……。きみの言う通りだ。おれ様なところを改善する必要がありそうだ」

 そして、彼はわたしを解放してくれた。

「そうよ、おれ様さん。先は長いんですもの。気長にいきなさい。わたしは、逃げも隠れもしない。そのときにはドンと受け止めるわ。だけど、シチュエーションとムードには気を配ってね」
「……。きみってレディは」

 おもいっきり背伸びをし、コリンの形のいい唇に自分のそれを重ねた。

 紳士でいてくれたお礼と、これから迷惑かけることへの謝罪を兼ねての口づけ。

「ニャーオ」

 シャーロットにも伴侶役の素敵な猫を見つけきゃ、よね?


                              (了)