「ちょちょちょ、いま、なんて言ったの? 国王陛下と王妃殿下ですって? それってあの国王陛下と王妃殿下よね?」
「当り前だろう? この国に国王陛下と王妃殿下は一人ずつしかいない」
「そういう問題じゃないわ。どうして? わたしたちが呼ばれるの?」

 そこでハタと気がついた。

 そうだったわ。まがりなりにも公爵家ですものね。実際、何代目か前の公爵家の人の中には、王族に養子になったり輿入れしたりしている。

 そもそも公爵家は、王族と親密な間柄。

 だから、呼ばれても当然なのね。