「分厚い資料や書物のどこに答えが記載されているか、答えなければならなかったんだ。覚えてる? 三大公爵家筆頭のケンドリック公爵家の兄妹のこと。彼らは、事前にその試験のことを知らされていたんだ。だから、他の貴族子女たちが『わからない』と投げだしたり泣きだしたりする中、涼しい顔で答えていた」
「ああ、あのいただけない兄妹ね。あの子たちらしいわ」
「だけど、ノーラはもっとすごかった。結局、一番はノーラだよ。あの場で入学資格をもらったんだ」
「なんですって? それはすごいじゃない」