「奥様、お目覚めですか?」

 その瞬間、室内が光に包まれた。

 クレアがカーテンを開けたのである。

「背中の痛みはいかがですか? まったくもう。ヘンリー坊ちゃんを殴った子をかばって鞭でぶたれるなんて、正気の沙汰じゃありませんよ」

 彼女はすべてのカーテンを開き終えると、寝台に近づいて来た。