「ちょっ、ちょっと、なに? この距離感は、いったいなんなの?」
「呆れたな。覚えていないのか? だが、元気そうでよかった」

 彼の美しい顔が遠のいた。横を見ると、椅子の背にもたれただけだった。

 それを見た瞬間思い出した。

 王宮で鞭打たれたことを。

 あれ? ここは?