このときになって初めて、わたしたちがいまいる辺りがテラス席の中でも特別な区画、つまりVIP席だと言うことに気がついた。

 だから向こうの方はお客さんがいっぱいいるのに、ここら辺りはわたしたちだけだったのね。

 ほんとうにいまさらだけど。

 それはともかく、ジロジロ見てはいけないと思いつつ、ほんとうの意味での怖いもの見たさでついつい盗み見してしまう。