「本当、充分すぎる大役ですよね」
「ん?何か言った?」
「いえ、何も……ハックシュン!」
眩しい太陽を見て、再びくしゃみをする桂木くん。そんな彼を、私が笑って見たのは、言う間でもなかった。
そして、そんな自然体の彼を見て、ふと疑問が湧く。桂木くんは完璧に「逆境から乗り越えられた」んだろうかと。
「ねえ桂木くん、今は幸せ?」
「へ?そうですね……一花さんが俺の隣で笑ってくれてますし、家でもこのキャラで通ってますし。親とも対等に話せてますよ。僕の人生、何も言う事はありません。順風満帆です」
「(家でもそのキャラなんだ……ってか、今さらっとイケメン発言が出た気がする)」
だけど、ホッと息をつく。桂木くんは、トラウマを乗り越えられたんだ。良かった、と。
すると桂木くんは「これから忙しくなりますよ」と、メガネをかけ直した。
「へ?忙しくなる?なんで?」



