「! どうして……?」
「何も事情を聞かず、僕の入浴に許可をした。普通の親なら、絶対に根掘り葉掘り聞きますよ」
「……何が言いたいの?」
「普通の親なら」という単語が引っかかって、私は思わず声のトーンを低くして尋ねる。すると桂木くんは「勘違いしないでください」と抑揚のない声で言った。
「一花さんの親が、あのお母さんで良かったなって。そう思ったまでです」
「!」
「今日、初めて一花さんにお会いして、一花さんの表情を見て、思いました。家の中では、一花さんの居場所はちゃんと温かいところにあるんだなと」
「……そ」
私はまた、短く返事をして。今度こそドアを閉める。
桂木くんの人を見る目というか、観察する目は鋭いなって……そう思った。だって、私自身がお母さんの「普通じゃない部分」に助かってる一人だから。
初めて学校を拒否した、あの日も――
『一花、学校は?行かないの?』
「何も事情を聞かず、僕の入浴に許可をした。普通の親なら、絶対に根掘り葉掘り聞きますよ」
「……何が言いたいの?」
「普通の親なら」という単語が引っかかって、私は思わず声のトーンを低くして尋ねる。すると桂木くんは「勘違いしないでください」と抑揚のない声で言った。
「一花さんの親が、あのお母さんで良かったなって。そう思ったまでです」
「!」
「今日、初めて一花さんにお会いして、一花さんの表情を見て、思いました。家の中では、一花さんの居場所はちゃんと温かいところにあるんだなと」
「……そ」
私はまた、短く返事をして。今度こそドアを閉める。
桂木くんの人を見る目というか、観察する目は鋭いなって……そう思った。だって、私自身がお母さんの「普通じゃない部分」に助かってる一人だから。
初めて学校を拒否した、あの日も――
『一花、学校は?行かないの?』



