「(ん?誰かと話してる?)」


不思議に思った私は、玄関まで急ぐ。

すると――見えた光景に、衝撃で言葉を失った。


「あら一花。さっきね、そこで偶然に桂木くんに会ってね」

「か、桂木……?」


名前を復唱すると、さっき我が家の洗濯物を懸命に取り入れてくれた委員長が、お母さんの横に立っていた。

お母さんが買ったであろう、大量の買い物袋を持って。


「一花と同じクラスで、しかも委員長なんだって?もう!お母さんビックリしちゃった~」

「僕も驚きました。どこの学校の生徒さんかと思いきや、まさか一花さんのお母様だったとは」

「やっだー、もう!褒め上手なんだから!」


バシンと叩かれてふらつく委員長――もとい桂木くん。

えっと、なんで……桂木くんがいるの?


「絶対、偶然なんかじゃないよね?」

「はて、何のお話でしょうか」