バス停から、駅へと向かうバスに乗る。

地図アプリを開き、さくらは北斗の屋敷と祖母の家の大体の位置を確かめた。

バスで行ける距離だが、思っていたよりも遠い。

さくらは1時間ほどバスに揺られて、祖母の家の近くに降り立った。

「おばあちゃん、いるー?」

玄関から声をかけると、祖母がびっくりしたように奥の部屋から出てきた。

「さくら?!なんでいるのよ?」
「お母さんから、足を捻挫したって聞いてね。様子を見に来たの」
「えー?そんな、わざわざ来なくていいのに」
「そう言うと思ったから、内緒で来ちゃった。本当は何日か泊まるつもりだったんだけどね。なんだかんだで今日しか来られなくて…」

なんだかんだ、と言いながら、そんなひと言では言い尽くせないほど、随分色々なことがあったなあと苦笑いする。

「まあ、そんな…。とにかく上がりなさい」
「はーい、お邪魔します」