「さくら?」

呼ばれて、さくらはぼんやりと目を開ける。

「さくら!良かった…。気がついたか?気分はどう?」

心配そうに覗き込まれて、さくらはゆっくり口を開く。

「大丈夫です」
「そうか、本当に良かった。お医者さんは、どこも悪くなさそうだって言ってたけど、丸一日眠ったままだから、ずっと心配してたんだ」

一気にまくし立てたかと思うと、急に言葉を止め、真顔に戻る。

「あ、じゃあ、ナースコールで看護師さんを呼ぶから」

そう言って、枕元のスイッチに手を伸ばした時だった。