凍りつくような空気が会場に流れている中、私にはまるで陽だまりが差し込んでくるような柔らかい空気に心が落ち着いていくのが分かる。
「あなたは……」
「遅くなってすまない、リサリル。君を迎えに来た」
「え……」
昨日と同じ、朗らかな笑みをこちらに浮かべた青年は今ハッキリと私の名前を呼んだ。
「言っただろう?今度は――俺がリサリルを守ると」
その言葉を、私は知っている。
初めて出会った時から、あなたから沢山の勇気を貰えた。
だからこの世界で素直に生きようと、真直ぐに頑張れた。
あなたの隣では、いつも素直になれたから。
そうか、だから……だからっ――。



