でも口から溢れては止まらない攻撃的な言葉が次から次へと湧いて出てきてしまう私は、ああ、またやってしまったと溜め息を零すのさえも周囲から見たら、嫌がらせのように映ってしまっていた。

 何度も抗おうと口を無理やり閉ざそうものなら、今度は態度に現れてしまう始末に肩を落とすしかない。

 それもそのはず。例え中身が転生してきた私になっていたとしても、どうやらゲームの”修正力”の力で言う事やる事全てがシナリオ通りに進んでしまうらしい。

 どれもこれもゲームをプレイしていた頃に見ていた悪役令嬢の言葉ばかりなのが、証明していた。

 これまでのいかにも悪役令嬢らしい立ち振る舞いの数々に、頭を抱えるしかない

 ただもっと頭を抱えてしまうことと言ったら、メインストーリーが進むにつれて悪役令嬢として磨きに磨きが掛かっていることだった。
 
 現状、目の前に腰掛けるアーサーの綺麗な顔を歪ませたのもこの私のせい。

 澄んだ青空の下、大精霊の使い手と神官達の顔合わせ後に王宮の庭園で開催された精霊の使い手が主役のこのお茶会には穏やかな空気はどこにも流れていなかった。
 
 
「リサリル!お前はいつもどうしてそんな態度を取るんだ!」


「お給料を貰っているのなら、それに似合った仕事をすべきでしょう?何か問題でも?私も将来的に給仕を受けるのに、使えない人はいりませんわ」


「……お前のせいで茶が不味くなっていることを自覚しろ」


 聞こえてるよアーサー。主人公視点からの俺様王子というあなたしか知らなかったけど、結構口が悪いんだね。