......だけど、私はあることを忘れていた。



「どうしよう......」



震える声をこぼす。



「生徒会室......って、どこだっけ......?」



そう、生徒会室の場所が分からなかったのである。

これじゃお願いも何もなかった。それ以前の問題だった。

たしか、生徒会室は五階......?


それから生徒会室を見つけたのは、三十分後だった。......それは秘密。



「ここ.....でいいんだよね?」



一人そう声を漏らす。

答えてくれる人はいないけれど、多分あってるはず。



「生徒会室だったらここでいいんだよ」

「そうなんですか.....よかったっ。ありがとうございます、
 ———って!」



ずざざっと効果音が付きそうなほどの勢いでその人から離れる。

人.....!?

いないと思ってた......。