𝓼𝓲𝓵𝓮𝓷𝓽 𝓷𝓲𝓰𝓱𝓽 -気まぐれ猫を溺愛したい-



「なにしてんの、もう……」

「いやぁ……だって、きれいだなあって……」





言い訳紛れに言葉を紡ぐ。

いや、ごめんなさい……そうだけど……。

「きれい? 何言ってんの」と、最近は砕けた話し方になってきた。

仲良くなれたみたいでうれしいな。





「あれ……洲守夜亞、その校章……」





校章?

これのことかな……?

生徒会役員は、胸元に校章のピンをつけなくてはいけない。


……本音を言うと、すぐにでも外したい。外していいかな?

一回、外してもいいかと聞くと、生徒会長と野坂先輩に即効却下された。

副会長も苦笑しながら同意していて、もう外せないことは明確なのだ。





「私、こないだ生徒会入ったんだ。それで、つけなきゃいけなくて……」

「……そー、なんだ……。でも、会ったときとかはつけてなくない?」

「あれは……生徒会に入ってたけど、そのこと知らなくて……」





嘘。

先輩たちが校章つけてるの、知ってた。

観察眼は大切だしね。特に、殴られたり、とかしないように……。

でもきっと、みんなそうだ。

観察眼は大切だし、黙っていることだってある。

私は、そういうずるいところが多すぎるだけ。





「へぇ……あの時には、もう……」

「どうかした?」




なんだか考え込んだようで、声をかける。