𝓼𝓲𝓵𝓮𝓷𝓽 𝓷𝓲𝓰𝓱𝓽 -気まぐれ猫を溺愛したい-


「私立夜月永中高一貫校高等部だよ」

「ふーん、そうなんっすね……」





和懸がにやりと悪い顔をした。

あれ?もしかして教えたらやばい系だった……?







 ▷▷▷






昼休み、私は今日も花園へ向かった。


あっ、やっぱり今日もいる……!

昨日もいた、あの小さな男の子。ふわふわしていて、かわいい系男子と扱われる感じの男の子。綺麗な、水色の髪と瞳。





「こんにちは」

「へぅ……っ!!??」






肩を跳ね上がらせて、すごい動揺している。

そこまで、驚くようなことしたかな?

……ちょっと、配慮に欠けていた……。

一人反省会を開いていると、視線が向けられた。





「あの、驚かせてしまってごめんなさい」

「いや……」

「改めまして、こんにちは。洲守 夜亞です」




軽く自己紹介を済ませる。

男の子が、目をかすかに見開き、私を見つめた。

視線が交わる。

といっても、フードで隠れ気味になっていて、あまりわかりづらいのだけれど。






「……洲守、夜亞……?」