進んでみて、数分。
それは、意外と近くにあった。
「......わぁっ......」
小さな、小さな庭園。
白色の美しい門があり、白い噴水がある。
そこから、水が噴き出していた。
物語で見るような、美しい光景に、目を疑ってしまう。
え……すごい、綺麗……。
色とりどりの花が咲き乱れるように咲いている。
そこを一言で表すなら、それは花園だった。
見とれていると、予鈴まで時間がすれすれになっていた。
「えっ……」
思ったより、ここにいたみたいだっ……。
急いで、戻らなきゃっ……。
またあとで来よう、と場所を記憶しておく。
踵を、返そうとしたとき——
「———え……?」
そこに、一人の男の子がいた。
こちらに、背を向けるように立っている。
驚いてみていると、予鈴が鳴った。
い、急がなきゃ……サボりになっちゃう……。