声をかけると、その女の子はすごく狼狽したようにこちらを見た。
「……何か、ありましたか? 困っていることがあるなら、手伝いますよ」
「そ、その…授業に必要な教科書と参考書を、なくしてしまって……なくしたというか、何というか……」
あぁ、と察する。
この先輩が教科書や参考書をなくすようには見えないし、きっとなくされたのだろう。
そういうことはいつだって変わらない。
みんな無関心。
わかっっていても見て見ぬふり。自分もそうなるって思って動けないでいる。
……あぁ、
ーーそういうところが、気にいらない。
「私も探すの、手伝います」
そういって、私も探し始める。
その先輩は戸惑っていたけれど、ありがとうございます、と頭を下げた。
・
・
「あっ、ありました……っ、」
「え……!」
何とか昼休みが終わる(予鈴のなる)八分前に見つけることができた。
先輩が、頭を下げる。
「もう、なんとお礼をしたらいいのか……」
……なんだって?
お礼……!?
たったこれだけのことで!?

