𝓼𝓲𝓵𝓮𝓷𝓽 𝓷𝓲𝓰𝓱𝓽 -気まぐれ猫を溺愛したい-








「はぁ......」




人気のない非常階段。

そこに逃げ込んで、小さく息をつく。

今は昼休み。

野坂先輩は、あれだけに止まらず、休み時間の旅に私のところに来ている。

ちゃんと、断った......よね?

うん。




「......。綺麗な花壇......」




非常階段の小さな窓から外をのぞく。

花壇があって、色とりどりの花が咲いていた。




「......洲守夜亞?」

「え......?」




フルネームで呼ばれて、ふりかえる。

最近、フルネーム多いな。

そこにいたのは、三人の女の子たちだった。




「どうか、しましたか......?」

「はぁ? 何言ってんのアンタ」

「目障りなのよ、野坂様に近づいて......」




彼女たちは、私のことをにらんでくる。

ほら、野坂先輩、私の平穏な学校生活がさっそくできなくなりそうですよ。

ていうか、野坂様って......。すごい神格化されてるじゃないですか。

私の頭の中で野坂先輩がニコニコ笑って、『えぇ、そんなことないよ~』と言っている。