「おれが呼んだんだよ、生徒会員にならないか~って」
「......は? ついに頭壊れたか?」
「だって、この子は一般人じゃないし」
「どう見ても一般人だろ」
「違うんだって、」
「......っあ、あの......っ!」
声を張り上げる。
口内が、乾いていた。
生徒会役員?
一般人じゃない?
どうしてそれが分かったの?
生徒会は一般人じゃ入れないの?
いろんな疑問が矢継ぎ早に浮かんでくる。
だけどっ、でも......。
「わ、......私っ、生徒会には入れませんっ、ごめんなさいっ」
そう言い残して、生徒会室を飛び出した。
「悪いこと、しちゃったかなぁ......」
生徒会室から飛び出して、教室へカバンを取りに向かいながらひとり呟く。
生徒会室で、結構な時間を過ごしてしまったみたいだ。
いつも賑やかな廊下は、人の姿がない。
窓の外からは、部活中の生徒たちが見える。
でも、もうそれも終盤。部活動の片づけが始まっていた。
悪いこと、しちゃったけど......もう、関わることはないよね。ちゃんと、断ったし......。
そんなことを考えていると、チャイムが鳴った。
〈下校時刻になりました。まだ残っている生徒は、速やかにおかえりください......〉
〈良い子は、お家に帰りましょう......〉
学校のチャイムと、地域とのチャイムが重なって響く。
廊下には、ぱたぱたという音が響いた。