「———え......」




野坂先輩のほうをおそるおそる見ると、相変わらずにこにこと笑っている。


『———だって、洲守夜亞ちゃん。この子、一般人じゃないからね』


ど、うして......。

一般人、じゃない......?




「は......? どういうことだ」

「え、その言葉の通り。この子は一般人じゃない」




『雨』、さん? 先輩? も困惑していた。

その状況の中、野坂先輩は陽気ににこにこと笑う。




「一般人じゃない、って......」

「洲守夜亞ちゃん。キミさぁ、『訳アリ』の人でしょ」




訳アリ。

私、そういうことに、なるのかな......。

何も言えず黙っていると、ガタリ、と音がした。




「は......? 誰だよ。司か? お前がコイツを生徒会室に入れたのか?」

「え......っと......?」




またまた来たのは、男の子。

だ、誰......?




「あー、んとね。コイツは内川(うちかわ)(まこと)。生徒会会計。俺に仕事を押し付けてくるウゼェやつ......いや、何でもない」




野坂先輩がそう説明してくれる。

内川、誠......さん?

それはともかく、不審な内容が聞こえた気が......。




「で、マコ。こっちは洲守夜亞ちゃん。女生徒、一年生ね」

「んな奴が、どーしてここにいんだよ?」




私のほうをにらみつけてくる。

ひぇぇぇぇえええ......ごめんなさいぃぃぃ......。
と、体をなるべく小さくする。