夕日みたいな君と,時間を忘れて手を繋ぐ。

「このん!」



部屋のドアを開け,私を呼ぶ春陽くんの声がした。

びっくりと目を見開くと,春陽くんのむっとした顔が見える。



「ったく。いつになったら帰ってくるわけ? 俺らは誘われたから来ただけだって,ちゃんと分かってんの」

「春陽」

「あ……あはは。ごめん」



突然現れた2人と向けられた言葉にパチパチと瞬いて,私は眉を垂らした。



「迷子なんかすぐ見つかるでしょ。その子たち?」

「うん」

「ほら,文世。さっさと行くよ」



え? と言葉を失う。

わたわたと立ち上がると,このんはそこにいてチビ達と遊んでればいいと残された。

そうして数分後,彼らは男性を一人連れて戻って来る。

目を丸くしていると



「朔! 花!!」



その人は初めて生きた心地がしたというように,小さな2人へ駆け寄った。

どういう事?

この子達お母さんと来たんじゃ



「その子達,生理で来れなくなった母親探して逃げちゃったんだって」




もしかして,『いない』って見つからないってことじゃなくて。

『お外』って屋外って意味じゃなくて。



「すみません,どれだけ探しても見つからないから,どこか沈んてるんじゃないかと潜ってて……アナウンスも母親を探してるのかと」



かんっぜんに私のせい!!!

迷子から誘拐事件に発展しちゃってる……!



「ごめんなさい! 私が」

「ほら,見つかったんでしょ。行くよ」

「これ以上謝っても仕方ないんじゃない?」