クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 自覚しないままだったら、多分まだ平気だった。

 でも自覚をしたからもあり、りおくんの近くにいるとすごく心臓がドキドキしていた。

「……あっ。」

 いつ来るかな……と気長に待っていた時、はっとある事を思い出した。

 教科書、忘れたっ……!

 今日は教科書を使う課題が出ていたはずなのに、ロッカーに置きっぱなしだ。

 壁掛け時計にちらっと視線を移し、急いで教室へと取りに行く。

「……龍己君。」

 ロッカーから教科書を取り、スクールバッグに入れて教室を出た瞬間の事だった。

 近くの教室からりおくんを呼ぶような声が聞こえ、反射的に足を止める。

 この声……って。

 ひょこっとその声が聞こえた教室をそーっと覗くと、その教室内にはりおくんと一人の女の子がいた。

 あの人……もしかして、りおくんの部活のマネージャーさん?

 遠くからだからはっきりとは分からないけど、きっと合っているはず。

 名前は忘れてしまったけど、あの人確か大人っぽくてモテてるって志珠ちゃんから聞いた事ある気が……。