そして私は、泣き疲れてソファで眠ってしまった。



あとで気づいたことだけれど、事故の日以来、私がちゃんと泣いたのはこれが初めてだった。



自分を抑えこんでいたことに気づけたのが、今日でよかったと思う。



リュウくんの前では、きっとこんなに泣けなかったから。







炎が小さくなってもなかなか消えないキャンドルのように、涙はときどき、眠っている私の頬を伝っていった。







沖縄旅行の、ちょうど二ヶ月前の夜のことだった。