恋の魔法は間違えないで下さい!

私はいつもの校舎の横の花壇の近くで、やっと息をついた。

ここは、園芸部の私にとって癒しの場所だ。

「音葉?」

「うわ!」

私は急に声をかけられたので、大声で驚いてしまった。

「そんな驚かなくても」

「奏斗くん」

私の好きな奏斗くんは同じ園芸部だ。

バスケ部で目立つ穂高くんとは違い、奏斗くんは優しく穏やかだ。

私の周りはみんな穂高くんがいいと言うけど、私は断然奏斗くんが好きだった。