恋の魔法は間違えないで下さい!

合宿二日目、夜。

「はー、疲れたー!今日は肝試しもないし、星でも見に行こっと!」

私は密かに目をつけていた、近くの公園に星を見に行こうと外へ出た。

「音葉ちゃん、俺もついて行っていい?」

穂高くんが私を追って、外へ出てきた。

「もちろん!」

私は穂高くんを公園に案内した。

「音葉ちゃん、公園なんてよく知ってたね」

「合宿でこの近くに来れるって知って、調べてきたの!」

「音葉ちゃん、星も好きなんだね」

「花も星も綺麗なものは大好きだよ。見ていると心を癒してくれる感じがするでしょ?」

私は星を見上げながらそう言った。

「確かに綺麗だね」

何故か穂高くんの視線を感じて、振り返った。

穂高くんが真っ直ぐ私の顔を見つめている。

「音葉ちゃん、これあげる」

穂高くんが私に押し花の栞を差し出す。

「もらっていいの?」

「音葉ちゃんのために選んだんだから」

穂高くんが少し恥ずかしそうに笑った。

「たとえ桜の魔法で俺が音葉ちゃんを好きでも、こうやって過ごした時間は本物だって証拠」

その言葉に私は泣きそうになって、俯いた。

「本当にもう音葉ちゃんのこと好きだけどね」

穂高くんはクスッと笑った。

その日の星は今までで一番見た星の中で一番綺麗だった。