恋の魔法は間違えないで下さい!

「でも、怖がってる音葉ちゃんを守れないのは嫌だな」

そう言って、穂高くんは私の頭を撫でた。

「これで勝負は俺の負け。音葉ちゃんは俺に掴まればいいよ」

穂高くんのその優しさには、不覚にもキュンとしてしまった。

「音葉ちゃん、俺へのお願い考えといてね」

「いい」

「え?」

「私の負けでいい」

私はそう言って穂高くんの腕の裾を掴んだ。

「じゃあ、俺が音葉ちゃんにお願い聞いてもらえるの?」

「そう」

「音葉ちゃんは本当可愛いね。もっと好きになっちゃった」

穂高くんが私が裾を掴んでいた手を取って握った。

「今日は手をつながせて。お化けから守ってあげる」

穂高くんには何故か一生勝てない気がした。