恋の魔法は間違えないで下さい!

合宿当日、私は絶賛バス酔い中だった。

「うう」

「音葉ちゃん、大丈夫?はい、これ酔い止め」

「ありがとう、ごめんね」

「いいよ、合宿中は俺らが音葉ちゃんにお世話してもらうんだから」

穂高くんが私の頭を撫でようとして、止まった。

「おっと、負ける所だった」

そう、まだ私と穂高くんの「先に触った方が負け」という勝負は続いている。

「音葉ちゃん、早くバス酔い治して元気になってね。音葉ちゃんは笑ってるのが一番可愛いもん」

バスはもうすぐ合宿所に着きそうだった。