恋の魔法は間違えないで下さい!

「ねぇ音葉ちゃん、奏斗のどこが好きなの?」

「へ!?」

「教えて欲しいなって」

穂高くんが真剣な目でこちらを見ている。

「えっと・・・いつも優しくて、花が好きで、何より・・」



「私のことをちゃんと見てくれる所」



「本当に奏斗のことが好きなんだね」



「うん!」



私はつい元気よく返事してしまった。


「本当に妬けるな」


「え!?」


いや、今サラッと凄いこと言わなかった!?

「そうだ、音葉ちゃん。頼み事があるんだけど」

「な、何?」

私はまだ動揺したままだった。

「しばらく臨時でバスケ部のマネージャーしてくれない?」

「は!?」

「人足りないんだよね」

「いや、私園芸部入ってるし・・」

「もちろん園芸部優先でいいよ。たまに手伝って欲しいんだ」

「でも・・・」

私にマネージャーなんて出来るだろうか。

「音葉ちゃん、付き合ってること秘密にして欲しいんだよね?」

穂高くんが悪い笑みを浮かべている。

「あ、悪魔・・・」

「残念ながら悪魔じゃなくて、音葉ちゃんの彼氏だよ」

私は仕方なくバスケ部の臨時マネージャーを受けるしかなかった・・・。