水やりを終えて奏斗くんと別れた後、教室に入ると碧が近寄ってきた。

穂高くんは一組で、奏斗くんは四組、私は二組だ。

「音葉ー!おはよう!」

碧がいつも通り元気に挨拶してくれる。

私は碧を教室の外に連れ出した。

頭がおかしいと思われても、碧には本当のことを話そうと昨日の夜決めたのだ。

私は、桜の魔法のこと、穂高くんと付き合うことになったこと、本当はずっと奏斗くんが好きだったことを話した。

「そうなんだ。音葉、大変だったんだね」

「碧、信じてくれるの?」

「友達の話、信じないわけないじゃん!」

碧が私に笑いかけてくれる。

私は碧に話して良かったと思った。