恋の魔法は間違えないで下さい!

「やっぱり、音葉ちゃんは僕の好きな人だよ」

穂高くんが、もう一度私に近づいた。

「確かに本当は卒業まで関わりがなかったのかもしれない。でも実際、俺と音葉ちゃんは今こうやって話してる」

穂高くんが優しく私の髪に触れた。



「きっと俺はこれからもっと音葉ちゃんを好きになってく」



「例え、今は魔法の影響でもね」



そう言った穂高くんの目に私が映る。

「ねぇ音葉ちゃん、好きな人いるの?」

「えっと・・・」

穂高くんに奏斗くんが好きだと伝えていいのだろうか。

私が返答に詰まったのを穂高くんは気づいたようだった。

「音葉ちゃん、奏斗と仲良いよね。奏斗のこと好き?」

「・・・・・・」

私は真っ赤な顔で俯《うつむ》いた。