俺様はノワール・ブラン。
明らかにふざけた名前にしたのはわざとだ。
勿論、本名は別にある。
よく言う『絶対に口にしてはならない名前』だ。
誰も正しく発音も出来ないだろうがな、魔王の名だから。

300年に一度現れる『光の乙女』出現の波動を学院に感じた俺様は、乙女がその力に目覚める前に殺してやろうと学院に自ら潜り込んだ。

どうして魔王たる俺様が動くのか?
それは、600年前に配下が乙女暗殺に失敗して、当時の『光の乙女と輝く勇者の仲間達』により、小規模な討伐をされて、魔物人口は一時減少したからだ。
それで前回の300年前には俺様が乙女とその後現れる勇者一同を無事処理したので、今回も降臨してやったのだ。

ちょっと学院長の意識を書き換えてやると、
『勤続10年以上のブラン先生』なる魔法学の教師の完成だ。
授業や実験も当然しない。
教室に居る生徒どもの意識を操作するだけで、講義を受けた記憶を植え付けられる。
俺様は教科書通りの知識を奴らの脳内に送るだけ
だ。