寝付けない夜、 君の隣

「寝れない?」

「うん、ちょっと」

「俺も」

"俺も"ということが嬉しかった。

寝返りを打つみたいに横を向いて、涼と向かい合うような体制に変える。

したら、涼もこっちを向いた。

ドキドキと心臓が鳴る音、聞こえていないか心配になった。


「泣いた?」

「え?」

「お風呂で泣いてたでしょ」

なんで、バレてるの…バレてたの?

もう隠せないと思って静かに頷いた。

「ヤなことあった?」

この質問にも、頷く。

「仕事?」

「ぅん…」

だんだん息をするのが苦しくなってきて、目を瞑った。