寝付けない夜、 君の隣

少し時間が経ったけど、気持ちが高まっていて眠れなかった。

でもわざわざ体を起こすほどのことじゃなかったから暗い空間の中で目を開けていた。

涼も布団に入って眠り始めていたから、寝るって言ったくせに起こすことはできない。

ちょっと今日は落ち込み過ぎたみたい。

また涙が出そうになったから、唇を噛んで堪えた。

「はぁ…」

小さくため息をついたら、布団の中に入れている手がぎゅっと握られた。

「起きてんの?」

まさか涼が起きていると思ってなくて、聞かれた質問にすぐ答えられなかった。

「うん。」

「もう2時になるよ」

内緒話をするみたいな喋り方に、ドキドキする。

「え…もう、そんな?」

「うん」

結構経っていたみたい。