ぼくの話をしようと思う





…つまり、殺すつもりはなかったと言うんだ。



でもそんなのは、誰が聞いても苦しい言い訳だよ。



「魂を捧げる」なんて言われたら、その「魂」が「命」を示してるって思う信者がいたっておかしくないんだ!



ぼくは、責任を信者になすりつけようとするヤツを、ますます軽蔑した。



さっき放り投げた枝を拾って、今度は刺してやろうと思った。



今までに経験したことのないほどの怒りが、ぼくの全身を支配した。






でもそのとき、ぼくは気づいたんだ。



ヤツの視線が、ぼくの後ろにいってることに。



ぼくは、引きつった顔で枝を右手に持ったまま、その視線を追った。



すると、そこには―






繭がいた。