とにかく最初は、寝ぼけてて撮影かと思ったから、カメラを探した。
でもすぐに、もうぼくは役者じゃないんだって思い出した。
で、次は夢かと思った。
だけど、それも違うってすぐに気づいた。
だってぼくは、実際に自分が夢を見ているときに、これは夢だ、って思ったことがないから。
たとえ夢の中で、どんな不可解な体験をしていてもね。
だからつまり、夢かと思ったということは、夢じゃないということなんだ。
じゃあいったい、この状況は…。
そう思ったとき、キミが言った。
『あたし、あなたを担当してる天使なの』
って。
それから、この紙をくれた。



