ぼくの話をしようと思う




芸能界を辞めてからは、友達の会社を手伝った。



なるべく他人と関わらなくてもいいポジションをもらってね。



そこで7年…え?



ああ、それは問題なかったよ。



だって当時ぼくは20歳だよ。



若いから、なんでもすぐに吸収できたし。



だから全然苦にならなかった。



ははっ、たしかに、その考えもなかったと言ったら嘘になるよ。



俳優時代にはけっこう稼いだからね、しばらく遊んで暮らすのもアリだとは思った。



でもその仕事、けっこう自分に合ってたみたいで楽しかったんだ。



だから7年、働いた。



…そう、7年。



なんでって…。



まあそう慌てずに。



ちゃんと話すから、聞いててよ。