それからというもの、世間は急に、ぼくに同情的になった。 ワイドショーでは毎日、ぼくと彼女が悲劇の主人公だよ。 それに、彼女を殺した宗教団体の実態に迫るなんて特集もやってた。 そのうち、警察の捜査でいろんなことがわかってきてね。 異常な実態が明らかになるたび、動機とかいろいろなことが話題になった。 でも、ぼくはもう、どうでもよかった。 なにもかも、どうでもよかったんだ…。