パチリと目を開き、にこにこと優しい甘い笑みを浮かべて、綺麗な低温の声で話しかけてくる。





「おき、てたの......?」


「え? うん、もちろん」



「じゃ、じゃあ、どうして......」


「んー......。和乃が朝から可愛いことしてるから、見てた。ひとりじめしたくて」


「なっ......!」





朝から唐突な爆弾発言。

きっと、今、私の顔は赤くなってるだろう。ゆでだこになっちゃう......。

何てこと言い出すの、この人。





「......一応、聞くけど、私、昨日、ここで寝たりとかした......?」


「え? ああ、いや」


「ここで、......ね、寝てないの......?」


「いやあまりに眠るものだから、疲れてたんだと思うよ。すごく」


「寝たのね!? 寝たのね!」





うわあああああ! めっちゃ迷惑かけてた!





「叶、ごめんね......」


「......和乃は相変わらず警戒心とかないのか」


「さらっと失礼なこと言ったよね? あるよ」





謝ったらなぜかいきなりの罵倒。すごい言われようだ、私。

叶は、私の腰を抱いていた手を緩めた。

あんなに離さなかったのに......!?

驚いていると、首元に叶の髪が触れた。