叶の腕をどかそうとするけど。

......まっっっっっっったく動かせないんですけど!

力、強い......。けど、こっちだって技術はある。

私は勢い込んで、叶の腕の、関節のあたりを抑えた。

関節を抑えられたら、その部分は動かせなくなる。


だから、これでいけるはず、なんだけど。

......まっっっっっっったく動かせない......!

な、なんで? なんでっ?





「か、叶、ちょっ......」


「......」





思わず声をかける。

腕に力が入った。

ぎゅうっ、と抱きしめてくる。

おかげで体が密着した。

ね......寝てるんだよね? 寝てるんだよね? ねっ?

寝ぼけてるの、これ......?

どうなってるの、これぇえええ......。


もう一度、やってみようとすると......





「......和乃(わの)、寝込みを襲う気だったの?」


「ひぃふひょぼぅわああああああああああああああああああ!」





変な悲鳴が口からもれる。

横を見ると、朝からきらっきらに輝く人気者さんが。

ひぇえええええええ......これは、こんなこと知られたら殺されてしまうっ。